2015年5月11日月曜日

ぶなニュース №24

復刻版 ぶなニュース 第24号 2002年9月2日発行

○石割神社のブナ
 8月31日土曜日、石割山へ。
  小田原を13時出発。山中湖着14時10分。
  旭日丘湖畔のジョナサン(レストラン)で遅い昼食。 注文したチキンカレーが劇辛でライスだけ食べ、カレー 部分はほとんど残してしまった。メニュー選択の失敗であった。
  15時、レストランを出発。車のナビで石割神社を検索。
  平野経由道志方面の道を入り1キロほど行ったところの左側に鳥居があり、そこを左折。道なりに2キロほど進むと赤い鳥居が見えてくる。左側に駐車場と公衆トイレ(水洗)がある。
  石割神社へは見上げるような長い石段を上っていく、この石段は約400段でその先は遥か彼方にかすんでいる。この石段を見ただけで上るのを躊躇したくなるほどだ。この神社詣では年寄りには無理だ。よほど健脚の年寄りでないと登れない。石段の中ほどに朱色の花が咲いていた。ナデシコの仲間であるフシグロセンノウ(節黒仙翁)だ。確か昨年の7月夜叉神峠で見た花である。石段の最上段が見えたかと思ったらさらにこの石段は右に折れ、まだ登りが続く。嫌になるほど長い石段だ。石段の歩幅は1メートルぐらいなので、歩幅の関係を調整しないと常に最初に踏み出す足が同じになり、疲れがでる。足の短い人間にはよいが最近の日本人の足の長さでは歩きにくい。別に小生の足が長いと言っているのではない。
  石段をようやく登りつめると少し広い場所に出る。ここは富士見平で右側に東屋が整備されている。石割神社の由来も書いてある。登山家であれば一度は登る山とも書いてあり、日本山岳史にもその記載があるとか。どうやら自称登山家なら一度は登らないといけない山のようだ。
  この広場のところに神社があるものと思っていたら、参道はさらに先へ続いている。ここから神社まで、まだ30分も山道を歩く。道の左側斜面はきれいに下刈りされ、明るい広葉樹の森になっている。しかし、よく見ると下刈りされた部分にたくさんのヒノキが植林されていた。大きさは50センチほどで、どうやら最近植林されたようだ。これら植林されたヒノキが大きくなると、いままであった広葉樹は伐採されるのであろう。このような急斜面の場所は自然に生えた広葉樹が適していると思うのだが?
  このあたりからブナもちらほら見えてきた。葉の肉厚が薄く幹の少し黒ずんだイヌブナである。太さは50センチほどだ。さらに登ると幹周り3メートル近いブナも現れ気分をよくしてくれた。ようやく神社らしき場所に出る。残念ながら神社の前は土砂崩防止石塁があり、景観を悪くしていた。 この石塁を迂回し神社に近づく。注連縄の垣根に囲まれた桂の御神木は見事だ。由来を読むと、相模川の源流である桂川の桂という名前はこの木からきているとある。

石割神社 平成14年8月31日撮影

フシグロセンノウ(節黒仙翁)
平成14年8月31日撮影

  この神社の御神体は大きな石で真中が割れていて、人が一人入れる幅の通路ができている。 我々も入ろうとしたが途中まで進むとリュックが邪魔をして入ることができない。 リュックを置いてまで、入ることもあるまいと思って断念。あとでこの神社の由来をよく読み返してみると 、悪人や罪人は通れないというようなことが書いてある。 それならリュックを置き無理をしてでも通るべきであったと、後で後悔した。 今度来る時は必ず通ると神に誓った。(それには日ごろの行いを改める必要もあろう)
  この神社の周辺はブナも数多く見られた。その1本は3メートル近くあり、カツラと並び小生にはご神木 と思われた。
  神社からさらに登山道を登り、石割山へ。 ブナやミズナラの古木が目を楽しませてくれた。 このあたりから道は急傾斜になり既設のロープを伝わって登る。
  石割山の頂上は木がなく開けている。南は山中湖と三國山・大洞山、ガスってなければ眼前に富士山の雄大な 眺めもあるのだが、今日は全容を見せてくれない。 西を見ると忍野の村やさらに富士吉田の町も見える。北側は鹿留山や杓子山が見える。 東側は見通しが悪いがその先に御正体山が見えるはずだ。
  10分ほど頂上で休憩し下山。小田原19時着。

石割神社近くのブナ 平成14年8月31日撮影

○神明水の秋
  8月27日大雄山から神明水へ。
  8月25日の代休で、南足柄の大雄山を参拝。その足で神明水まで登る。
  小生、杉は嫌いだが、大雄山の杉はいつ見ても感動的だ。 樹齢500年以上の大木が何本もあり、この場所が聖域であることを演出している。
  明神ケ岳への道はつまらない暗い植林された杉林の中を歩くことになる。 途中見晴らし小屋もあるが見渡せる範囲は僅かで、景観はあまりよくない。 さらに登ると以前杉林を伐採してできたススキの原に出る。ここは何十年前かに大雄山と 明神ヶ岳を結ぶ観光ロープウエイの計画が進み、工事を着工した場所だ。その後、 いろいろ問題が浮上して工事を中止した経緯のある場所だ。 いまでもこの登山道沿いにそのときの錆だらけの資材やら鉄骨、索道支柱などを見ることが できる。悪いことにロープウエイに使う電気の変圧器も野ざらしにされている。 ただ青いビニールシートで覆ってあるが、有害なPCBの処理はされていない。 ずさんな状態で放置されている。これは大変危険なことである。ここは誰が管理しているのであろうか? 南足柄市はこの状態を認識しているのだろうか?水源の汚染が危惧される。
  このススキ原の中ほどに小生お気に入りの場所の神明水がある。 岩の奥から冷たい清浄な水が湧いている。 ここで顔を洗い、腹いっぱいその水を飲む。いままで何回も飲んだが腹痛がないので多分この水は安心? あたりはすでに秋の気配で、ススキ、ワレモコウ、ハギ、コオニユリなどが咲いていた。 虫の鳴き声はうるさいほどだ。
  神明水を少し登ったところに大きな座禅石(小生がかってに命名)があり、ここもお気に入りの 場所だ。ここにすわり足柄平野などを眺めると日ごろの憂さを忘れる。 だが、少し下の方の斜面を眺めると新たに林道を開削している。すでにこの周辺は林道だらけなのに さらにまた林道を作っている。道路公団の道路計画も凍結ならこのような無駄な林道も凍結中止すべきである。
  座禅石の近くの雑木林に入るとミズナラやイヌブナを見ることができる。 しかし、残念なことに今日はビニール袋などのゴミが散乱していた。簡易ガスボンベまで捨ててある。 呆れるばかりだ。
  今日の成果は半々だ。
  嫌なものも見た。変圧器、新たな林道工事、ガスボン。
  良かった点、神明水のうまい水、大雄山参拝、ワレモコウ、座禅石、イヌブナ。