2018年10月10日水曜日

早池峰山

本日、知人から早池峰山の写真とレポが届きました。

早池嶺は御影石の山なり。此の小国の向きたる側に安部ヶ城と云う岩あり。険しき崖の中程にありて、人などはとても行き得べき処に非ず。ここには今でも安部貞任の母住めりと言い伝ふ。雨の降るべき夕方など、岩屋の扉を鎖す音聞ゆと云う。
柳田国男 遠野物語より。
この日は風が強く木々を根元から揺する音が木霊していた。
暫く様子を見ていたが止む気配がないので登山口に向かった。
丁度、登山口にある管理棟から管理人の方が出てきて、【登るの?だったら絶対に帰ってきてね!
そうしてくれないと、後始末が大変だから」ああ言えています!まったくその通りです。
頭の上をガスが流れている樹林帯の中は別段こっれと言った天気では無かった。
暫く行くと岩が折り重なり森林限界に出てハイマツ帯に変わった時からいきなり身体が
凄い風であおられガスがハイマツをバタバタとまるで大きな天狗の団扇で扇いだように
唸っていた。それはまるで獣の咆哮のような音だった。
私達は(二人)腰をかがめ先を目指し折り重なる岩の上を足を踏み外さないよう慎重に登って行った。
一緒に登って行った仲間が、今日は風が穏やかになることはないので下山しようと言った。もう少しだけ登ってみない?また私たちは登り続けたがこの先やはり風は収まりそうもないので撤退することを二人で決めた。
ほっとしたように「僕は冒険をしに来たのではないんだ」と呟いた。
私もその言葉に全くその通りであると心に感じた。
私達は秋の紅葉を愛でに来たのだ!
早池峰山の山の秋を穏やかな気持ちで受け取りに来たのだ。
そして今来た道を私たちは登山口に向かった。(つとむ)

早池峰山

早池峰神社