下の画は大正13年に描かれた表尾根の風景。
丹澤山塊(其一)
・・・ 東京からの登口は二ヶ所ある。一つは平塚駅に下車して、八王子街道の中萩野まで乗合自動車で行き、それから徒歩で別所鉱泉に一泊し、煤ヶ谷に至って札掛に出るのと、今一つは二の宮駅に下車して輕便鐵道で秦多野に至り、煙草專賣所の横手から、ダラダラ登りに札掛に至るのである。それから先きのことは専門家の調査に由て、此魔の山を踏破する日取を極めるが可い。
口図は秦多野の町から一里ばかり登つた小高い麦畑の山の上から、塔ヶ岳の雲の霽れるのを俟って写さうとしたが駄目であった、右側は大山である。
表尾根の風景
震災五十八景
関露香 著[他] 番町書院
大正13年 1924年
国会図書館所蔵資料
弘法山付近からの眺め