先ほど知人から光岳の写真と紀行文が届きました。
光岳(テカリダケ)
流れる水の音が私を眠りから静かに覚ましてくれた。
3:20車止めのゲートを抜け月の光が渓谷の樹林を蒼く映し出した川沿いの林道を1時間歩いて行くと、易老渡のつり橋の先を歩いていた登山者のヘットライトの明かりが止まったり進んだり私が間違えて真直ぐ進まないよう気遣ってくれていた。
深い樹林の中は静寂そのものだった。私の息づかいさえも森の中に吸い込まれてゆく。
そこにはジョン・ケイジが作曲したと言う4分33秒という無音の音楽が流れていた。
時間が流れ森の中ににも淡い陽の光が差し込み始めると小鳥たちのさえずりと共に森が眠りから覚め1日が始まる。
登山道の脇は杉からブナに代わり長い時間を要してやっとのこと易老岳へ、そして光岳に進路を取り暫く行くと三吉平にたどり着いた。
ここまでくると木々が低くなり植種が変わりコメツガやダケカンバの白い樹木の下に芝紅葉が秋の訪れを教えてくれている。
涸れ沢の積み重なる岩の階段に沿って登って行くと綺麗な小川がある。その川の水を水筒に汲み終え5分も歩くとセンジュヶ原と言う湿原にたどり着く。
湿原の木道の先に今夜の宿、光小屋が見える。
途中日本最南端にあるハイマツ帯を抱いたイザルガ岳が左手に見れる。
小屋にザックを降ろし光岳頂上(2591m)と光岳の名の由来である光石へシラビソの木々の間を足を引きずるようにして向かった。
小屋には12~3人の登山者と外には2張りのテントがあった。
明日も今日みたいな1日が始まります様!おやすみなさい。
小屋の中が明るくなった頃、荷造りをしてザックを背負い小屋のの脇の高台から朝日の昇るのを待っていたがガスが邪魔をして1日の始まりのドラマを見る事が出来ずに、下山途中のイザルガ岳へ登ったら朝日が昇った後だった。しかしガスが抜け富士山と雲海と太陽が素晴らしい1日の幕開けを歌ってくれていた。
光小屋を背にしてまた昨日来た長い登山道を下った。
2017.10.8~9
つとむ
今夜の宿、光小屋が見える
富士山と雲海と太陽