2015年3月5日木曜日

ぶなニュース №13

復刻版 ぶなニュース 第13号 2002年5月7日発行

○富士山の巨大ブナ群の所在地図

  富士山の幕岩近くの巨大ブナ群の場所は下図の円内である。
  我々は、水ヶ塚公園駐車場に車を置き、須山口登山歩道から入る。この入り口から50メートルぐらい進んだところで右折。この道は森林浴遊歩道だ。ここを道なりに進んで行く。すると中間にある登山道(須山口下山歩道ではない)に出る。この登山道は下図には載っていない。さらに行くと御胎内祠に出るが、ここはまっすぐ行かずに左折する。富士山の方向に登って行くことになる。1キロぐらいここを進むと、浅木塚遊歩道と書いた道標が立っている。ここを右折。さらに1キロほど進むと左側斜面に巨大ブナが出現する。
  水ヶ塚公園駐車場から時間にして1時間ぐらいである。  

所在地図

○コバイケイソウに注意
  5月3日、富山県宇名月町の僧ヶ岳の登山者から「川崎市役所の山岳隊メンバー7人が腹痛や頭痛、嘔吐を訴えて苦しんでいる」と110番通報。4日朝ヘリが出動し救助。うち6名が病院に搬送された。原因は野営で食事した際、コバイケイソウを食べ、中毒を起こしたらしい。コバイケイソウは有毒植物で食べると呼吸不全や血圧低下などの症状が起こることがある。

○山ケイ、ブナ特集
  「山と渓谷」5月号でブナを特集。「ブナ生命の森へ」と題して、各地のブナ林を紹介している。三國山、角取山も載っている。

○丹沢でブナ林再生活動
  丹沢自然保護協会は、5月25日に三ノ塔頂上付近の東側斜面でブナをはじめヤマハンノキ、ミズナラなどの広葉樹を植林する。これに参加するボランティアを現在募集中。募集人員は200名。

○三國山などのブナを巡視
  5月5日、三國山周辺のブナを巡回した。明神峠から三國山入り口にあるブナ(登山口から100メートルぐらい入った場所)を観察。既に新葉を大きく広げ、周辺一体は鮮やかな新緑で輝いていた。当日は霧も少し出てきてブナに潤いを与えていた。下を見れば可憐な紫色のスミレも咲いていた。
  ヅナ峠ではブナの一部に赤い毛玉を葉につけたものもあった。当初、これは寄生植物が葉の表面に着床したと思っていたが、家に帰り調べたところ、これはアブラムシの一種が取り付いていることが分かった。ブナハアカゲタマフシという虫こぶである。木によっては一見花をつけたようにこの赤い毛玉がたくさんついてる。玉の大きさは5ミリ程度。駆除方法はどうやら殺虫剤を使用しなければならないようだ。
  自然のブナにはアブラムシに負けない体力でがんばって欲しい。

ブナハアカゲタマフシ