○ぶなニュース第14号以降の定点観察
6月22日 籠坂峠~角取山~畑尾山~アザミ平~天狗ブナ~籠坂峠
前回見た角取山の兄弟ブナは深い霧におおわれ幻想的な雰囲気であった。割れたガラス瓶が落ちていたので次回来たときに分かるようにとミズナラの根元に置く。生憎ビニール袋を忘れたため。
霧で霞む角取山のブナ、平成14年6月22日撮影
6月29日 山中湖~ヅナ峠
以前赤い毛玉(ブナハアカゲタマフシ)のようなものが葉にたくさんついていたブナは、葉が茶色に変色、或いは食われていた。アブラムシの姿は見えなかった。ブナの老木(幹周り410センチ)がある道筋が塞がれ迂回路が出来ていた。近づかないように誰かが倒木で塞いだらしい。小生も計測するとき以外はなるべく近づかないよう心がけている。
ブナを愛する人が一番ブナを傷つけているからだ。本や写真集或いはホームページで紹介する人も当然加害者である。その本や写真を見てたくさんの人がブナ林を訪れ、根元を踏み固めてしまうからだ。このブナニュースは幸い購読者が10人未満なので許されるだろうか?やはり加害者か?そうすると日本百名山を著した深田久弥氏も罪を犯したことになる。なぜならこの本により登山ブームがおこり、NHKの日本百名山が始まり、中高年のための登山学(岩崎元郎氏)により更に火がつけられたからだ。今では誰もが百名山をめざし、幾つ登ったと得意げに話す。それも悪いこととは思わないが、百名山がそれだけ荒れることになる。自然が残るのはむしろ百名山から外れた目立たない山なのだろう。確か白神岳は百名山にはない。今度は世界遺産で荒れる運命か?富士山が世界自然遺産に選ばれないのも当然なことで、なにも山小屋のトイレやゴミだけを問題にしているわけではない。大規模に植林された裾野、演習場、周遊道路、砂防堰堤、ゴルフ場、別荘、富士スピードウェイ、周辺の観光施設等々を見ればあたりまえのことである。
そういうあなたが一番ブナと自然を痛めつけていると妻に言われ、ドキッ!
更に、自動車を乗りまわして排気ガスをぶりまき、水を無駄に使っている。ドキッ!
7月5日 三國峠~三國山
峠のフジアザミは葉を大きく広げていたが、まだ花は咲いていない。三國山の登り斜面の道筋は荒れていてブナ林側に幾筋かの新しい道が出来ていて、ブナの根元を踏み荒らす状態になっている。人間の踏み荒らしによる土砂の流出で何本かのブナが倒れていた。やはり自然やブナを愛する人がここでもブナを痛めつけているのだ。他人事ではない。
7月7日 籠坂峠~天狗ブナ~アザミ平~畑尾山~角取山~籠坂峠
天狗ブナの近くで食事。ブナから3メートル以上離れてシートを敷く。相棒がブナに近づいたので注意。アザミ平ではシモツケがたくさん咲いていた。フジアザミは葉がだいぶ広がったが開花はまだ先だ。数箇所フジアザミを掘り起こしたところがあり、最初は心無い人の盗掘かと思ったが、付近の足跡からどうやら鹿の仕業であった。鹿もヤマゴボウが好きなのだ。角取山の兄弟ブナのところでチューブ式ドリンク容器が落ちていたので拾う。前回のビンの破片は見失う。目印が必要だ。少し反省。兄弟ブナの周辺で多数の山芍薬の株を発見。花は既に散っていたが、気分をよくする。10株ほどあった。来年の開花時期が楽しみである。ここにはシロバナエンレイソウもたくさんある。角取山から籠坂に向かう沢道で初めて人に会う。この沢道は殆んど人が通らないのだが。見たところ健脚のベテランハイカー(男性)だ。我々を追い越していった。我々はキョロキョロ・道草・立ち止まりなので歩くのが遅い。
シモツケが群生、平成14年7月7日撮影
○路上で干からびるミミズに思う
(平成14年7月2日付け毎日新聞の投書欄から。
・・・私はそんなミミズを見かける度に、つまんで近くの畑などに入れています。こうしたミミズの行動を見るにつけ、ふと思います。人間も目先の便利さを求めるあまり、環境を悪化させ種の絶滅の原因をつくっているのではないかと。私たちが、ちょっとした心遣いをすることでいろいろな生き物が助かります。そのことが、人間にも住みやすい環境を備えることにつながります。
(先日、トイレの便器の中に小さなゴキブリが落ち、もがいていました。そこでトイレットペーパーをとり、垂らして助けました。そのことを友人に話したら笑われました。”トイレットペーパーとゴキブリ”の話で、芥川竜之介の「蜘蛛の糸」ではありません)
○幻の鳥 巣立つ 秋田森吉山
(平成14年6月21日付け毎日新聞。
秋田県森吉町の森吉山(1454m)のブナ林で今月中旬、国の天然記念物クマゲラのヒナ3羽が相次いで巣立った。・・・営巣地は、クマゲラを守るため設定された国設森吉鳥獣保護区(1200ha)のノロ川流域。