2015年3月10日火曜日

ぶなニュース №14

復刻版 ぶなニュース 第14号 2002年6月20日発行


このところちょっとブナニュース ご無沙汰していました。 何しろブナの季節を迎え毎週土日に山に入っていて、 山から帰ってくると疲れ、記事にまとめることが出来ない有り様でした。(ちょっと言い訳)

○ブナ神社
  籠坂峠の脇にひっそりと加古坂神社の社がある。  まず一般的には行くことがない神社だ。 しかし、この境内はブナに囲まれた静かな聖域だ。 なにか霊的なものを感ずる。 当日も霧に包まれ幻想的な雰囲気であった。 勿論ここの御神木は3メートル近いブナだ。鳥居に直ぐ脇に鎮座して、 この社を守護している。
 神の遣いと思われるような小鹿が一匹、我々の足音にきずき、霧に中に姿を消した。

左側の苔におおわれた御神木のブナ、平成14年6月16日撮影。

○角取山、畑尾山のブナ
 ここのブナは先般ヤマケイの5月号で紹介されたばかりなので、記憶に 新しい。
 当日は霧でブナ観察には絶好の天候だ。籠坂峠に車を置き、しっとりとした火山砂礫の 尾根道を行く。500メートルぐらい歩いたところに道標があり、左に行くとアザミ平方面、右は地図にない角取山に向かう沢道である。今日はこの右コースから登ることにした。両脇に羊歯が生い茂り、原生的雰囲気の道だ。先ず人に出会うことはない。1時間もかからないで、角取山の尾根筋に出る。小さな看板に籠坂峠方面の矢印が書いてある。うっかりすると見落とす大きさだ。 まさに知る人ぞ知る道であることが分かる。
 角取山はもう直ぐである。左側に霧に包まれた大きなブナが2本現れ、安心する。そのうち霧も上がり薄暗い神秘的な森に光がさしてきた。何しろ静かだ。聞こえるのは風の囁きと野鳥の囀りだけ。2本の大きなブナを眺めながらのニギリメシは本当に美味い。

角取山の兄弟ブナ、左の兄。平成14年6月8日撮影 

右側の弟ブナ

○御正体山の大ブナ
当日の天気は晴れていたが、富士山は雲の帽子を深く被り、全体の姿を見せてくれない。 我々は山伏峠に車を置き、ここから登ることにした。既に車が数台置いてあり、駐車スペースの陣取り 合戦だ。なんとかそのエリアを確保。
 山伏峠からの道は急な登りが続き、直ぐに汗ばんでくる。周辺のミツバツツジとブナが気分をリラックスさせてくれる。送電線の鉄塔の尾根に出ると下から気持ちよい風が汗ばんだ額を撫ぜていく。ほっと一息。だが人工物で開けたこの場所の景色と爽やかな風は何か違和感を感じさせる。 精神的には満足できない。 中ノ岳と前ノ岳を過ぎ、最後のきつい登りとなる。頂上は近い。そこを登りつめると原生の風景に変わる。ブナの大木が大勢で出迎えてくれた。1本の大ブナを計測したところ、幹周り390センチある。満足な大きさだ。今日の目的はこれで達成された気分になる。頂上で昼食。たくさんの虫と大勢の登山者に閉口したが、390センチのブナと山芍薬が帳消にしてくれた。

天に伸びる大ブナ、御正体山 平成14年6月2日撮影。

ヤマシャクヤク(山芍薬)、平成14年6月2日撮影

○美女平付近のブナ
5月17日~5月19日の能登半島一周・立山アルペンルートの旅行は特に報告することはありません。このような団体旅行は当初から我慢の連続ですから?我儘な小生は時間を束縛されるのが一番きらいです。 何時集合、何時出発と聞いただけで、気分が悪くなります。
 19日の朝、バスの中で腹がいたくなりました。 いやな予感が的中。だんだんお腹が気になりだしました。ウエーブ(波)がじょじょに押し寄せてきて、 最悪の状態になりました。高速道路や田圃のまん中でバスを止めることもできないので、結局我慢しました。立山駅に着いたときは一目散でトイレに駆け込みました。しかし、悪いことは重なるものでどこのトイレも団体客で満員御礼。女子トイレをみれば50人ほどの長い行列。 また、バスの中のタバコも最悪でした。夜の酒も下戸の小生は苦手です。 最初の旅館もボッタクリ商売をしてまして、何かとお金をとられました。 付き合い旅行は1年に1度でも辛い。
 一つだけ良かった点は、美女平付近のブナと千年杉でした。 後はありません。時間に追われ急かされ、つまらない旅でした。
 (我儘生)

○ブナだけが良い訳ではない?
 小生は所謂ブナおたくではではないです。 ミズナラ・カラマツ等何でも好きです。 他のたくさんの木があるからブナが美しく見えます。 この思想はすべての原点です。 お大師(弘法大師空海)さんの教でもあります。 人間はとかく見た目で判断します。 綺麗なものが良いと判断します。 あれこれと区別したり差別したりします。 外見で判断できることはほんの少しです。 一見親切そうな人が実は腹黒い。よくあることです。 人間も木もいろいろあるからバランスがとれて面白いのでしょう。
 (変人生)